どうしてそうなるの?

ちょっと、長いですが頑張って読んで下さい!


■原因

はっきりした原因はわかっていないのが実状です。
一般に言われているものとして次の事が挙げられています。
・ 陰茎・膣からの感染
飲水量の減少
・ ミネラルバランスの不均衡
・ ビタミン不足
・ ごはんの種類
・ おしっこのpH
・ 体の抵抗力の低下
などが考えれられます。これらは単独ではなく、いくつかが合わさって出てくることもあります。

もうちょっと、詳しく書きますね。^^

■陰茎・膣からの感染

通常、多少の感染ぐらいでは人間も含めて動物の体はビクともしません。 しかし、膀胱の粘膜がちょっと傷ついていたり、栄養不足で粘膜の状態が良くない時に、普段の感染を予防する抵抗力が崩れてしまい、膀胱炎になってしまうことがあります。
膀胱粘膜の炎症により、はがれた粘膜が尿結石の核(芯)になりやすいのです。
また、感染した菌が尿のpHを変化させるので、ある種の尿結石ができやすい状態になります。

■飲水量の減少

 寒い時期は特に飲水量が減り、尿の濃度が濃くなると思われます。おしっこは腎臓で作られ、腎臓から尿管、膀胱、尿道のゴミを洗い流す作用があります。
おしっこが濃くなると、全体的におしっこの量が減って、極端に言えばドロドロ状態で流れるので、きれいに洗い流す機能が完全に果たせなくなってしまい、結果的に感染しやすくなってしまいます。

■ミネラルバランスの不均衡

 尿結石の成分は下記の通りです。
・マグネシウム
・リン
・カルシウムなどのミネラル
このバランスが崩れると、結石(結晶)ができやすくなると言われています。ミネラルを多く摂取するとか、制限するのではなく、バランスが大事なようです。

■ビタミン不足

ビタミンAやビタミンB6など、粘膜を新しくしたり状態を保つ作用のあるビタミンの不足は、粘膜の強度を弱くしたりはがれやすくしたりするため、尿結石の核(芯)になりやすいと言われています。
また、ビタミンCはとりすぎるとシュウ酸塩(結石の原因の1つ)のおしっこの濃度を上げるため、尿石症を悪化させるという説もありますが、必ずしもシュウ酸塩の濃度があがるというわけではないようです。
はっきりとした事が、解明されてないんですね。

ごはんの種類

 市販量販フードは、尿結石の成分となると言われているトウモロコシや大豆で作られています。
トウモロコシや大豆は安価であるため、市販のフードは安いわけですが、尿石症の犬には肉主体のものが良いと言う意見があります。
また自家製のフードはどうしてもバランスがくずれがちです。
犬は野菜からはビタミンを吸収できません。
本来、犬や猫の祖先は狩りをして、草食動物の内臓から骨まで丸ごと食べて、草食動物がビタミンや繊維を上手に分解し、吸収しやすくされたもの、あるいは吸収されたものを食べていたわけです。
野菜食は尿のpHをアルカリ性にし、ストルバイト結石という、最もポピュラーな尿石ができやすい環境になってしまいます。
これも、バランスが大事な事です。

尿のpH

 おしっこのpHで結石が溶けたり析出したりします。
酸性の物質はアルカリ性で溶けてなくなりますが、同じ酸性の液体の中では溶けることができません。
犬猫で最も多いストルバイト結石は正しくはリン酸アンモニウムマグネシウムといい、アルカリ性で析出します。
おしっこのpHは草食動物ではアルカリ性、肉食動物では酸性に傾いているのが普通ですが、犬は猫よりも雑食性が強いので、pHはまちまちですが、一般には弱酸性〜中性です。
膀胱などに感染があると、感染している菌によりpHがアルカリ性になってしまいます。
また、野菜を多く与えている犬ではアルカリ性に傾いているかもしれません。ただし、ミネラルバランスや体の防御機構などにもよりますし、野菜を与えているからといって必ずしも尿石症になるとは限りません。
ちなみに、pHとはペーハーと読みます。シャンプーのお話でも出てきましたね。^^



尿結晶になってしまったら?その後のケアは?